2023年『そうだ!国際機器展に行こう!!』報告書

実行委員長 廣渡 一隆

・開催日:2023(令和5)年9月27日(水)

・場所:東京ビッグサイト

・参加人数:14人(うち障がいのある方3人、学生3人)

・移動手段:電車・介護タクシー

 

 

・開催趣旨

→障害の有無にかかわらず、福祉機器の展示会に参加することで、生活の質の向上につなげたり、外出するきっかけづくりとなったり、外出自体を楽しんだり、どんなサポートが必要か知る機会となったりすることを目指す。

 

 

・当日までの流れ

そもそものきっかけは、「麻痺があって不自由な状況でも、何かを使うことで楽にできたりするものがあった

ら知りたい。」というリハビリ中の会話でした。発起人のひとりである鈴木さんに、そういった機器の展示会があり、実際に見たり、聞いたり、体験したりすることができる国際福祉機器展というものがあるということを、もうひとりの発起人となる私が説明したところ、「是非行きたい。でも、そういうところだったら行きたいという人もいるだろうから、声をかけてみるのはどうだろう」というものだった。

それではということで、ふたりが発起人となり、昨年12月から声をかけ始めた。2月にzoomによる初回の説明会を行ったところ、障がいのある方、介護福祉士、ケアマネージャー、作業療法士、いわき市地域包括ケア推進課の職員や市外からも賛同者が出て、12名の方が集まった。

3月には、実行委員会として立ち上がり、いわき市、福島県作業療法士会いわき支部に後援をいただいた。市内の施設や病院などの各所に、ポスターを貼らせていただいたり、いわき市ケアマネ協会や福島県理学療法士会いわき支部、福島県作業療法士会いわき支部の会員への配信をお願いし、広報活動を行ったりしていった。その後も、毎月、説明会を行い、どう広報していくのか、実際に行く時はどうやって行くのか等の意見を出し合い、実現に向かっていった。

また、介護タクシーの利用や学生の交通費の援助のため、様々なところに、ご協賛のお願いを行なった。ご理解をいただき、16の企業、団体から、ご協賛をいただけた。そのことにより、介護タクシーの利用が可能となり、学生の交通費の援助が可能となった。最終的に、14名の参加で、当日を迎えた。

 

 

・当日の流れ

→電車(7名)または介護タクシー(7名)でいわき市から会場へ。現地集合し3班に分かれ、H.C.R.2023第50回国際福祉機器展を見学。再び集まり各移動手段で移動、散会。

同展に足を運ぶのが初めてのメンバーが多く、予定時間内にはとても回りきることができなかった。それでも日頃、遠出する機会が少ない車椅子でのご参加の方は、また来年も行きたいと、継続的な開催を求める声が上がった。

会場では379社(別日開催のweb展含む)の出展があり、展示は27~29日までの3日間にわたる大規模なものだった。出展ゾーンは移動機器、ベッド用品、入浴用品、トイレ・おむつ用品、衣類・着脱衣補助用品、建築・住宅設備、リハビリ・介護予防機器、介護等食品・調理器具、福祉施設環境設備・用品、福祉車両・関連機器、日常生活支援用品、義肢・装具、災害対応設備・用品、感染症等予防用品、福祉サービス向け経営・ケア管理システム、出版・福祉機器情報、海外企業の「Start Up Global Zone」に分けられ、参加者が機器の説明を受けたり、実際に体験したりしながら生活の質向上につながる出合いを求めた。展示のほか各種セミナー、パラスポーツなどの体験コーナー、トークショー、書道家金澤翔子さんのブースなども設けられ多くの人でにぎわっていた。

参加者からは年齢や性別、それぞれの環境の違いを超えて交流ができたことに対する達成感や充実感が多く寄せられた。また充実した展示を見たことで将来に希望が持てたという当事者の声、今後の可能性に期待をもてるといいった関係者の意見もあった。参加者の声として、以下に記したいと思う。

 

 

 

29歳  作業療法士

無限大の可能性に満ち溢れた企画に携わることができ、とっても素敵な1日でした。

いい意味で、障がいをお持ちの方、学生の方、一般の方、専門職などの方々の境界線がそこにはなく、私の方が、皆様方から沢山の感情や考え方を与えてもらいました!!とても感謝しております。

これからも私ができることは、全力でやっていきたいと思います!!

これからも型に縛られすぎず、可能性を追い求めていければ嬉しいです。次回の開催が今から待ち遠しいです!!

 

 

34歳 地方公務員

私、実は元療法士の卵でして(言語聴覚士を目指していました)、学生のときに国際福祉機器展行きの勧誘がありました。いつか行きたいと思っていたのですが、昨日、やっとその夢が叶いました。私は18歳のときから右半身麻痺の障害を抱えているので、自分の障害はもうほとんど回復はないと思っています。しかし、医療機器は日々発展しているので、身体の動きを回復させたり、失った動きをカバーする新たな医療機器が発明されているかもしれません。実際に見学してみて、障害の好転の希望が持てる内容でした。

また、この会自体、異業種に渡る人々で集まり、Zoomで定期的に話し合い、他県の私まで参加させて頂いて、この会の初の開催ながら、非常にオープンにできていたのではと思います。私もいずれ山口県から障害者や関係者を連れて来たいと思っているのでとても参考になりました!

個人的には、サイト等をもっと調べてどこで何があるか見ておけばよかったと思いました。

 

 

35歳 介護福祉士

参加のきっかけは、以前、職場が同じだった実行委員長のFacebookの投稿ですね。直感的に、この活動は楽しくできそうだと思いました。正直、いろいろ迷っていた時期で、自分の中で行動したい時でした。

お世話になった廣渡先生の助けになればと思ったのと、私自身いろいろな方と活動できれば刺激になるのではないかと思った形です。活動は、Zoomの参加やポスター掲示のお願い、協賛金を集める活動をさせて頂きました。

直前で、家庭の都合で参加することができなくなってしまいましたが、この活動は続けていきたいです!来年は行きます。

 

 

20歳 学生

大変お世話になりました。

昨日はとても楽しく充実した一日を過ごすことができました。このように様々な福祉機器を目で見て、触れることのできる機会は自力だとなかなか難しく、参加して本当に良かったと感じました。学びや交流など良い経験になったと思います。

今回は本当にありがとうございました

 

 

20歳 学生

このような貴重な機会を設けてくださりありがとうございました。大学の授業だけでは学ぶことが出来ない福祉用具などについて、実際に見て、体験することで学べたことが沢山あり交流を含めとても良い経験になりました。参加出来て良かったです!ありがとうございました!

 

 

17歳 学生

私は、母からの紹介で知ってこの企画に参加しました。

今まで福祉機器についてあまり知らなかったのと、色々な方と会って見たかったので良い機会だなと思い参加してみようと思いました。

会場には見たことがない福祉機器や災害対策のシステムがあり、とても学びになりました。車椅子などのよく知る機器もありましたが、機能などが私が知るよりも格段に進化していて興味深かったです。

会場全体を見ることができなかったのが残念ですが、とてもいい経験になりました。

福祉バスの中でも色々な方とお話できて、様々な考え方や生き方などが知れてとても勉強になりました。

また次回があれば、是非参加させて頂きたいです。

 

 

35歳 ケアマネージャー

障がいのある方もないかたも一緒にいくことに対し、行く手段で不安がありましたが、手段が確保されたことでみんなでいくことができうれしく思いました!

現地でついて行動した時には、ここが難しい、ここはできると具体的にはなしてもらったことでサポートのしやすさが感じることができたと同時に、同じ症状の方のニーズや課題をくみとることがいままでできたのかという振り返りも行うことができ、とてもいい機会となりました。

また、行ったことで工夫によって様々な場所にいくことができるということもわかり考え方、やり方次第だなと思いました。

国際機器展では、ケアマネの視点で見させていただき今の福祉用具より進化しているものを見ることができ、今後関わる際の引き出しが増え、とても勉強となりました。

 

 

52歳 作業療法士

今回の企画に期待していたことは、福祉機器を自分の目で見てみたい。体験してみたい。サポートできる部分があれば、少しでもお役に立ちたい。

でも、実際行ってみて感じたことは、ただただ幸福感と充実感。福祉機器が見られたのはごくごく一部でしたが、不完全燃焼感はこれっぽっちもなく、ほんとに行って良かった、という思いだけ。

年齢、性別、環境、目的みんな違ってての面白さがあって、多様な意見を耳にでき、そこにあるのは互いを理解しようと言う柔軟な思考だけ。

私自身学びが山ほどありました。

とても素敵な空間にいられたことへの幸福感と充実感、それに尽きました!

 

 

副実行委委員長

障害を抱える身となって、病院から解放されて自由になったのはいいけれど……?これから私どうすればいいのって思ってました。そんな事を抱えながらもリハビリに勤しんでいた時に、国際福祉機器展がある事を知りました。絶対に行くと思いました。今振り返ってみると、自分でも勢いだけで何の自信も考えもなく、何か動かなければという思いだけだったと思います。

そして私のこんな思いに賛同し一緒に進めてくれた広渡さんをはじめ皆さんに心から感謝しています。

ありがとうございます。

当初の目的である安全に楽しんで行って来るという課題は、完全に達成されたのではないでしょうか!

私は、福祉機器の技術の進化と多種多様さに目を奪われました。障害を持つ我々ばかりではなく、高齢化が進む中でも、決して未来は閉ざされた世界ではないと感じました。

最後には思いかけないサプライズもありました。書道家  金澤翔子さんから購入した本にサインを頂けて、ラッキーなんて事も。めいっぱい楽しんで来ようと思いたった日から、今まであっという間でした。

一緒に進めてくださった皆さん、協賛金を出してくださった皆さん、いろいろな皆さんのご協力に感謝します。

そして何と言っても、わずか数時間を一緒に過ごした全員が、別れ際に再会を約束するという素晴らしい体験に感動しました。

   

トップへ戻る トップページへ戻る